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IPO時の役員報酬の決め方とチェックリスト

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Illustration of an arrow to going pricate to public, IPO checklist

非上場企業と上場企業は全く別のものです。

多少大げさかもしれませんが、非上場企業と上場企業では、役員報酬の決め方を始めとする事業の多くの面で、運営方法が非常に大きく異なっていることは疑う余地がありません。

単刀直入に言えば、非上場企業の主要役員や取締役の給与はやや控えめですが、かなり寛大な株式報酬パッケージで補足されているケースが時々見られます。一方で、上場企業の同等の役員の場合、給与ははるかに高いかもしれませんが、通常は、毎年受け取る株式報酬ははるかに少ないでしょう。

これは、非上場企業が上場企業に移行する期間、そしてその後、特定し、対処する必要がある問題の1つです。

上場までの過程に伴う多くのことと同様に、株式報酬についても準備が鍵となります。新規に上場する企業に、上場初日から完全に整った役員報酬戦略があることを期待する人はいないでしょう。しかし、IPOに必要な時間とリソースを投入してきた企業は、正式な上場までに準備を整えているでしょう。

IPO前の企業は、報酬委員会を設置し、関連する役員報酬計画および慣行をどのように修正するのが最善であるかを検討するべきです。このプロセスはできるだけ早期に開始すべきですが、このような移行はすぐに起こるものではなく、IPO後も続くと理解されています。

 

IPO前の役員報酬の決め方チェックリスト

 

報酬委員会の3人の委員が、役員報酬戦略を完全にコントロールすべき
                                                役員報酬戦略については、報酬委員会が主導権を握るべきである

 

報酬委員会は、企業が役員報酬計画を徐々に移行することができるようなロードマップを作成するため、IPO前に有効なチェックリストを作成します。

チェックリストに最もよく挙げられる項目は以下の通りです。

 

1. 役員報酬に関する理念

報酬に関する理念は、全てではないにしても大半の報酬に関連する意思決定の基礎となるため、早期に設定する必要があります。
報酬に関する理念を策定する場合、以下のような点について、対処しなければいけません。

  • 取締役の報酬制度と目的
  • 報酬の構成(基本給、毎年のインセンティブ、長期インセンティブ、その他の手当 – 短期 vs. 長期、業績連動型 vs. リテンションおよび/または誘因の比率を強調するブレンド)
  • 会社が同業者グループの中で目指すポジション(同業者グループより上か下か)
  • 採用する株式の種類と数
  • 福利厚生および必要条件に対するアプローチ(どのような特典を提供し、それを受け取る条件をどうするか)

報酬についての理念を設定するということは、優れた慣行であるというだけではありません。上場企業になると、株主総会前に送付する株主総会招集通知の報酬に関する議論と分析(CD&A)セクションで、役員報酬に関する慣行についてのアプローチを開示する義務があるため、実務面でも必要です。

報酬についての理念は、それほど詳細である必要はありませんが、役員報酬に対する報酬委員会のアプローチを100%正確に説明していなければなりません。

2. 上場企業の同業者グループ

上場企業の同業者グループを作成することで、報酬委員会は自社の役員報酬に対するアプローチを有効にベンチマーク化し、上場企業としての実情に合わせて調整することができます。

非上場企業の場合、必要であると思われる場合、その時に競争力の高い給与の分析を作成することは珍しいことではありませんが、上場企業の場合は、それはより正式なものになり、取締役や上級役員の報酬水準は通常年に1回のペースで見直されています。上場企業の同業者グループを作成すると、役員の給与を毎年見直す決まりがあって、同業者グループがその主要な従業員にどの程度の報酬を支払っているかを検討する必要があるかのように、会社がこのアプローチを採用するために必要な情報を得ることができます。

一般に、同業者グループを作成する場合に重要なことの1つが、同様の規模の企業を特定することで、これは売上高、資産、時価総額、業種などの主要指標を参照して決定することができます。また、この目的に関して、本当に同業者としてみなすべきかどうか判断するために、候補となる同業者が十分に似ているか、さらに洞察を得るため、ビジネスモデルを検討することも重要です。

同業者グループの作成にかかる時間と労力を過小評価しないでください。同業者グループの特定が適切でないと、それに関連する報酬水準も適切でなくなります。

3. 株式やストックオプションの使用

IPOによるエグジットを目指す時、非上場企業は通常、8%~15%の株式を経営陣のために残しておきます。こうした株式の大半はまとめて付与され、残りは既存の経営陣や今後、就任する重要な役員や取締役に将来、権利を付与するために残しておく傾向があります。

8%~15%の株式の配分は通常、将来の経営陣に対して魅力的な総支払額を確保するために十分であるとみなされています。

4. 役員報酬 – 競争力と決め方

 

3つの木の積み木に幾何学模様のフォーマット

                                                 通常、上場企業と非上場企業では、役員に権利を付与する株式の種類が非常に異なる

上場企業と非上場企業は、重要な従業員に報酬を与えようとする時、権利を付与するために選好する株式の種類が大きく異なる傾向にあります。例えば、非上場企業は業績連動型オプションを好む傾向がありますが、上場企業はそれ以外の種類の株式を好む傾向があります。

これは、報酬委員会がよく調べる必要がある「上場企業と非上場企業の違い」の1つです。役員報酬制度の設定を確認する場合、委員会のメンバーは、非上場企業でうまくいくことが必ずしも上場企業ではうまくいくとは限らないことを理解する必要があります。

業績連動型ストックオプションについては、オプションの価値が増えるためには、株価が上昇し、業績も達成されなければならないため、問題は2倍になります。上場企業の場合には注意が必要で、権利を付与されている従業員は自社の業績だけではなく、株式市場の動向に左右されます。そのため、業績連動型ストックオプションは、必ずしも主要な従業員のやる気を引き出すという希望する目標を達成しないため、最適な方法ではないでしょう。

報酬戦略は、努力が報酬につながるように設定する必要があり、前述のように、非上場企業でうまくいっていたことが、必ずしもIPO後の状況に合うとは限りません。

これを念頭に置いて、報酬委員会および経営陣は、長期インセンティブプランと慣行の普及に関する利用可能なデータを検証する必要があり、それに基づいて、上場企業の慣行に合った、主要な従業員の意欲を高め、株主の成長目標と一致したプランを策定します。

5. 取締役の報酬・給与

上場企業と非上場企業は、取締役の給与の支払い慣行についても違ってきます。非上場企業の取締役は、いくつかの検討事項次第で、給与が支払われる場合と、支払われない場合があります。一部の取締役は、主要投資家の従業員であったり、その役職に関連する専門知識や経験を有する主要な役員であったりする場合があります。後者のグループの個人は常に有給ですが、前者のカテゴリーはそうでない可能性があります。

前述の通り、非上場企業と上場企業は、現金と株式報酬の扱い方が反対である傾向があります。非上場企業の方が株式を多用し、現金の報酬はやや控えめにする傾向が強い傍ら、上場企業の方が現金報酬を支払い、一般に毎年の株式の権利付与の余地が限られています。

このため、IPO前に取締役の給与を見直す必要があります。上場企業の運営傾向に合わせるために努力するだけでなく、将来の新規取締役に提供される給与が魅力的になることも確認する必要があります。

6. ロックアップ期間

ロックアップ契約は、上場後の一定期間(通常80~180日間)、会社のインサイダーが株式を売却することを防止するものです。

ロックアップ契約は法律で義務付けられているものではありませんが、多くの場合、引受会社は役員、投資家、会社のその他のインサイダーにこの合意への署名を求めます。この背景には、上場直後の期間に多くの株式が売られ過ぎて、株価が下落することを防ぐという一般的な考え方があります。

役員報酬について、知っておくべきことは何ですか? 実質的に、役員報酬は存在し、それを通知する方法からそれがIPOやストックオプション、株価自体に与える影響まで、会社の戦略の一部となるべきです。

ロックアップ期間が経過すれば(突然潜在的な売り手が増えるため)株価が下落する可能性があるため、一部の企業はロックアップ期間をずらしています。ただし研究は直観とは異なる結果を示しており、期間をずらす戦略は、実際にはすべての合意期間が同じ日に満了になる場合よりも、株価に悪影響を与えるとみられることがわかっています。

 

上場時の移行の監督

非上場企業と上場企業は、役員や取締役の給与の多くの面で異なります。非上場企業がIPO前のプロセスを経る際、給与慣行の全面的な監査を実施し、何をどのくらいの期間内にする必要があるかを検討すべきでしょう。このような変更は、上場した後も長期にわたって実施することができます。つまり、報酬委員会は何をすべきかを特定し、非上場から上場企業への移行過程を監督する十分な時間があるはずです。

上場への道は長くて険しい試行錯誤が続くかもしれませんが、役員報酬に関しては、上記に概要を示す手順に従うことが極めて重要です。さもなければ、上場企業は、非上場企業とは大きく勝手が違うことに途方にくれるかもしれません。

注意:本出版物には一般情報のみが含まれており、Global sharesは本記事を通じて、法務、財務、税金関連、ビジネス関連、専門分野などのアドバイスを提供するものではありません。Global sharesアカデミーは、専門的なアドバイスの代わりとなるものではなく、その目的で使用すべきではありません。Global sharesは、本書に記載された情報を信頼したことによる結果に対して、一切責任を負いません。

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